加熱式タバコ・電子タバコは歯周病に悪影響を与えるの?

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タバコによる喫煙は、口腔内の環境へ悪影響を与え、歯周病にたいして高いリスク因子になるということに関して、ご存じのかたが多いかもしれません。

→喫煙と歯周病との関係について

歯周炎とタバコとの関係についてよく患者さんにお話しをするのですが、そのとき良く出てくる質問に、「電子タバコ・加熱式タバコは歯周病に悪影響をあたえますか?」というものがあります。

たしかに、アイコスやVapeといった電子・加熱式タバコは、従来のタバコと内容も少し違いますし、歯周病や歯茎への影響も変わりそうですね。

2018年に歯周病学会誌に掲載された歯周治療における禁煙支援の手順書によりますと(日歯周誌 2018)加熱式タバコに起因する歯周病悪化に関する報告はないが、ニコチンによる依存性と発がん物質を含む有害物質を含んでおり、使用者および周囲の人々に健康障害を及ぼす。そのため、禁煙指導を行うことが望ましいと記載されております。

近年の研究ではどうでしょうか。

2017年の電子タバコ (Vape) の歯周炎への影響について調査している研究では、紙巻タバコは歯周パラメータに悪影響を及ぼしたが、電子タバコ(Vape) 使用者は非喫煙者と同程度の結果であり、電子タバコによる歯周炎への影響は認められませんでした。また2021年の加熱式タバコ (IQOS) が口腔内の細胞へ与える影響について検討している研究では、IQOSは口腔内の細胞の生存能や遊走能に悪影響を示さなかった、という結果が示されました。

明らかに悪影響がある紙タバコと比較すると、歯周病への影響は少ないのかもしれません。

一方で、他の研究では電子タバコのエアゾールが酸化ストレス、炎症、肺細胞機能の調節不全を引き起こすことが示唆されており、さらに口腔内では口腔粘膜下線維症や歯周病に関連があるともいわれています。いずれにせよ、禁煙ができるようであればしていただいた方が健康的にも安心ですね。

 

 

歯周病治療

(管理者) 鈴木瑛一 歯科鈴木医院 副院長 日本歯周病学会専門医

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