歯科治療における拡大鏡(ルーペ)の効果について

当院の衛生士さんがマイ拡大鏡(ルーペ)を購入しました。

元々医院には、衛生士さんが自由に使える拡大鏡を置いているんですが、自分専用のものが欲しいということで、自らお金を出して髙い拡大鏡を買っていました。素晴らしいと思います。

個人的には、拡大鏡をつける大きなメリットは2つあるとおもいます。一つは術野が大きくなり治療精度が向上すること、二つ目は診療姿勢が良くなることです。

良く、歯科医以外のかたに、歯医者さんって目がいいよね。とかあんなに細かいところを良く触れるね。とかよく言われます。

違うんです。目をこらして見てるんです。

見えないなーっていう時もあるのです。

我々も 「根の中や虫歯が小さすぎてみえなぁぁい!(W辺)」

ってなるんです。

そこで歯科用ルーペの登場です。

実際に使用した場合、どのように見えるのでしょうか。

ご覧の通り、裸眼では小さすぎてよく分かりませんが、拡大すると歯が割れているのが一目瞭然ですね。

またルーペを使うことにより、常に一定の距離から診療することができ、こちらの診療姿勢の改善にも役立ちます。

歯科医師は腰痛もちなので、これは重要であると思います。


衛生士さんへの拡大鏡の効果についての研究が2017年にアメリカでされております(Ludwig EA et al. 2017)。

本研究は衛生士の拡大鏡の使用前後における、診査時の姿勢の変化について検討しています。

結果として、姿勢拡大鏡の使用により姿勢が改善される訳ではないと結論づけられております。

あら・・ 姿勢は良くならないのか。

そんなことはないと思うけどなぁ。まあ、研究としてデータ化をして統計を取ると有意な差がでていないということなんでしょう。(ちなみに、拡大鏡により診療時の姿勢が良くなるという他の論文も複数あります。 Branson BG et al. 2004, Maillet JP et al. 2008)

本論文では、拡大鏡を使用した衛生士の大半が、姿勢の改善を自覚し、診査が簡単になると認識しているとも述べられています。

見えなかったものが見える様になって診療が楽しくなったという話も良く聞きます。

モチベーションの向上につながるのはとても良いことですね!

このように、より質の高い診療を目指すためには、拡大鏡はとても重要なツールであるといえます。

当院では必要な際には拡大鏡(ルーペ)を使用し、3-6倍以上の拡大率で治療を行っております。

虫歯治療

(管理者) 鈴木瑛一 歯科鈴木医院 副院長 歯周病学会専門医

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