口腔内の癌 (悪性腫瘍) について

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数年前ですが、有名な女優さんが口腔内に悪性腫瘍が見つかり、一大ニュースになりました。

ニュースで初めて、口の中にも癌ができることを知ったという方もいらっしゃるかもしれません。そのニュースが出てから、当院でも口腔癌の健診や口の中を見てもらいたいといったお問合せがとても増えたように思います。

今回は口腔内の腫瘍 (口腔癌) についてお話しいたします。

口腔癌とは、口腔(口の中)にできる悪性腫瘍です。歯茎や舌、頬、上あご、下あご、唇などにできるものです。

症状としては、どのようなものがあるのでしょうか

口腔がんでは、がんができた粘膜の色が赤くなったり、白く変色したり、形が変わったりします。口の中にしこりができる、口内炎がなかなか治らないなどの症状があらわれることもあります。歯ぐきにがんができたときには、歯を支える組織にがんが浸潤 (しんじゅん: 周囲に染み出るように広がっていくこと)し、歯がぐらついたり、入れ歯が合わなくなってきたりすることがあります。(国立がん研究センター がん情報サービス)

 

口腔癌は部位の癌罹患率で15位 全体の癌の内約2.2%となっております。しかし、罹患人数に関しては30年前の約4倍程度まで上昇しており、今後も増え続けることが予想されております (図, 国立がん研究センター がん情報サービスより引用) 。

また、口腔がんへの発育は、多段階性の機構と言われております。いきなり癌が発生するわけではなく、正常な組織がさまざまな要因で細胞の分裂に異常がおこり、口腔潜在的悪性疾患(以前は前癌病変)となり、最終的に悪性腫瘍となります。すなわち、早い段階で見つけることがその後の癌化のリスクを抑えることにつながります。

この癌になる可能性がをもつ口腔潜在的悪性疾患には様々な種類が有り、例えば白板症といって粘膜が白色に変色することなどがあります。

初期のがんでは痛みや出血などはなく、硬いしこりが触れるのみの場合が多いです。なかなか治らない口内炎の場合も注意が必要です。もちろん急激に大きくなるケースもありますが、定期検診に行くことによって怪しい場所が見つかるかもしれません。また、定期検診に通われている方は基本的にはお口の中に対する意識が高くなり、口の中の異常に気付きやすくなります。

また、お口の中を清潔にしたり傷が付きそうな場所をなくしたりなど、お口の中の環境を整えることも悪性化の予防につながります。→歯周病治療

 

当院でも2、3年にお一人くらいは定期検診で口腔内に腫瘍が疑われる方を発見することがあります。

その場合は連携している地域の総合病院にて口腔外科の専門医の先生に紹介させていただき、診断、治療が必要で有ればしていただく形を長年とっております。

口腔がんの五年生存率は現在のところ5、6割といわれております。決して高くはない数字です。

やはり国民の認知度が低かったり、我々歯科医師も口腔癌に関する意識が高くないのかもしれません。

歯科医師会なども癌検診などを国家単位で実施できる様に行動されているようですが、残念ながらそこまで進捗していないようです。

なんとなく口腔内に違和感を感じたら、遠慮せずにかかりつけ医の先生に相談してくださいね。

 

(管理者) 鈴木瑛一 歯科鈴木医院 副院長 日本歯周病学会専門医

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