電動歯ブラシって良いの?

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梅雨の季節になりましたね。この時期は雨で外出し辛く、個人的にはあまり好きな季節ではないのですが、今年はちょうどステイホーム期間なので、あまり影響はないかもしれませんね。

さて、以前歯ブラシの磨き方や、フロスなどの補助的歯間清掃用具についてのお話しを書いたことがあると思いますが、今回は電動歯ブラシについてお話ししようと思います。

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歯周病治療を始めるときにブラッシング指導を行うことが多いのですが、以前よりも、電動歯ブラシを使用している患者さんが増えてきているように感じます。

ブラッシング指導をすると、よく患者さんに「電動歯ブラシと手用歯ブラシはどちらがよいですか」という質問を頂きます。

過去の研究をみてみると、2002年に発表されたレビュー(多くの研究論文を集め、信頼性の高いデータにより評価しているもの)では、手用歯ブラシと比較して、電動歯ブラシの使用により、歯茎からの出血や炎症状態がより抑制されるという結果が得られました。そして、それはプラークの除去効果が、電動ブラシのほうが高いからかもしれないと書かれております。(A. Sicilia et al. 2002)

また、比較的新しい論文 (Kurtz B et al. 2016) をみてみますと、2016年に87人を対象に手用ブラシと電動歯ブラシのプラーク(歯垢)の除去率を評価した研究では、やはり電動歯ブラシで磨いた場合、手用歯ブラシと比較して有意に大きなプラークの減少が認められたとの報告がされています(図)。

 

研究としては電動歯ブラシに軍配が上がりましたね。まあ、2016年の研究で使用された手用歯ブラシ(アメリカ歯科医師会推奨歯ブラシ)は、写真を見る限り、頭の部分がすこし大きすぎるようにも感じますが。。。

個人的には、手用歯ブラシできれいに磨けている方は電動歯ブラシでも磨けますし、電動歯ブラシでも磨けていない患者さんは多くいらっしゃいます。

また、例えば歯周病で歯茎が下がっていたり歯並びが悪かったりすると、電動歯ブラシだとうまく磨けなかったり、傷つけてしまったりすることもあります。一方で、いまでは電動歯ブラシでも固さや大きさなど様々な種類が発売されています。お口に合ったブラシを選び、正しい磨き方を学ぶことが重要です。

まずは、かかりつけの歯医者さんに自分の使っている歯ブラシを持って行ってアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

歯周病治療について

(管理者) 鈴木瑛一 歯科鈴木医院 副院長 日本歯周病学会専門医

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