インプラントを長持ちさせるには?

トップページ/アクセス・お問い合わせ/ブログ一覧

みなさんは物を買うときに、何を重要視して買いますか?コストパフォーマンスや質で選ぶという方も多いと思います。また、長持ちするというのも、良い物の条件ではないでしょうか。

今回はインプラント治療を行った場合、それを長持ちさせ、良い物として使っていくためのポイントについてお話いたします。

インプラントはしっかり噛めて見た目も自然、生活の質を大きく向上させてくれる治療法ですが、「入れたら終わり」ではありません。実は、インプラントも毎日のケアや生活習慣によって寿命が大きく変わります。

 

まず最も重要なのは、毎日のブラッシング(セルフケア)です。特にインプラントの周りは歯磨きがしにくい場合もあったり、一度悪くなっている場所のため、プラークがつきやすく炎症を引き起こしやすい部分の可能性もあります。Mombelli A et al. (1987) の研究でも、成功しているインプラントと失敗しているものでは付着している細菌の種類が違うことが分かっていて、日々のプラークコントロールが成功の鍵といえます。

さらに、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。天然歯と違って虫歯にはなりませんが、歯周病のような「インプラント周囲炎」にはなります。この病気が進行すると、せっかくのインプラントが抜けてしまうことも。Lang NP et al. (1994) の研究では、メンテナンスを受けない場合にインプラント周囲炎のリスクが高まることが示されていて、定期的なプロフェッショナルケアが長期成功に不可欠であることが分かっています。

 

他にも生活習慣が大きく予後に作用するとの報告もあります。よく知られているのが喫煙の影響です。タバコは血流を悪くして、インプラントの骨との結合を妨げると言われています。Bain CA and Moy PK (1993) によれば、喫煙者は非喫煙者の約2倍もインプラントが失敗しやすいという報告もあるほどです。

また、全身の健康状態も見逃せません。たとえば糖尿病。血糖値がコントロールされていないと、インプラントの成功率も下がることが分かっています。でも逆に、コントロールされていれば成功率は非糖尿病患者と同程度。これは Moy PK et al. (2005) の研究でも示されています。

このように、インプラントを長く快適に使っていただくには、「入れた後の付き合い方」がとても大事。歯科医院でのメンテナンスはもちろん、ご自身のケアや生活習慣の見直しがインプラントの寿命を大きく左右します。

当院では、インプラント治療後も長く安心して使っていただけるよう、メンテナンスプランをしっかりご案内しています。お口のことで気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

 

 

 

(管理者) 鈴木瑛一 歯科鈴木医院 副院長 日本歯周病学会専門医

トップページ/アクセス・お問い合わせ/ブログ一覧

関連記事

  1. 肺炎と歯周炎との関係

  2. マウスウォッシュ(洗口液)は歯周病や虫歯に有効?

  3. 口腔内の癌 (悪性腫瘍) について

  4. 歯ブラシのかたさはどれがいい?

  5. 当院の衛生士が歯周病学会認定衛生士に合格いたしました!

  6. 矯正学会での発表をしてきました。

PAGE TOP