診療案内

予防・定期検診

未来の歯を守る、予防という選択を

日本は世界有数の長寿国でありながら、高齢になったときに残っている歯の数は、予防先進国に大きく差をつけられています。その差を生むのは「予防のために歯科へ通うかどうか」です。当院では、痛くなってから治すのではなく、痛くなる前に防ぐ「予防歯科」を大切にし、患者さんが一生ご自分の歯で噛めるようサポートいたします。

なぜ日本人は歯を失うのか?日本は世界有数の長寿国ですが、「健康寿命」という点では必ずしも優等生とはいえません。たとえば70歳の平均残存歯数を比べると、スウェーデンが20.7本に対し、日本は16.5本。80歳ではさらに差が広がり、日本の6.8本に対しアメリカは15.8本(85歳)、スウェーデンは19.5本(75歳)というデータもあります。日本人の歯が弱いわけではありません。実は海外とは、歯科医院への「かかり方」が違うのです。
70歳における平均残存歯数の比較

予防先進国との違いスウェーデン・フィンランド・アメリカなどは「予防先進国」と呼ばれます。日本では痛みが出たり詰め物が取れたりして来院する方が多いのに対し、これらの国では大半の人が「予防」のために歯科に通っています。定期的に検診・クリーニングを受けている人の割合は、日本がわずか2%なのに対し、海外では70〜90%。この差が、そのまま残っている歯の数の差として表れています。
定期検診を受けている人の割合と残存歯数の比較

定期検診の4つのメリット
1. 歯周病の予防になる成人が歯を失う原因の約4割は歯周病です。その原因となるプラークや歯石を定期的に除去できることが、定期クリーニング最大のメリットです。どんなに丁寧に磨いても磨き残しは必ず生じ、そこに歯石が固着して細菌の温床になります。定期的なクリーニングで歯ブラシの届かない部分まで清潔に保て、磨き残しの場所も把握できます。3〜6ヶ月ごとの定期検診で、歯周治療後5年間悪化が見られなかったという報告もあります(Lindhe J et al. 1975)。検診は年3〜4回が理想とされています。
定期検診の有無による残存歯数の比較
2. 初期の虫歯や治療後の異常を発見できる抜歯原因の2位は虫歯(32%)です。虫歯は大きくなるほど削る量が増え、処置の回数も時間も増えてしまいます。定期的にチェックを受けることで、虫歯を小さいうちに発見し、最小限の処置で済ませることができます。治療済みの歯も、詰め物・被せ物の劣化やすき間から再発するため、早期発見で悪化を防げます。
痛いときだけ通院する方と定期的に通院する方の歯の比較
3. 見た目もきれいに保てる定期検診では、歯周病・虫歯のチェックや歯石取りに加え、ご希望に応じてクリーニングも行えます。着色を落とすことで本来の歯の輝きを取り戻し、お口の中が清潔になって気分もすっきりします。3,000人以上を対象とした研究では、検診・クリーニングの受診回数が多いほど、生活の質の指標となる口腔関連QOL(GOHAI)が高くなるという結果も出ています(Naito T. 2006)。
検診回数と口腔関連QOLの関係
4. かかりつけ歯科医の安心感定期的に通うことで治療範囲を小さく抑えられ、「怖い・痛い・時間がかかる」という歯科のイメージを「安心・痛くない・短時間」に変えていけます。また、お口の変化を継続して把握できるため、年齢や体調・持病なども踏まえた最適な治療をご提案できます。何かあったときにすぐ相談できる「かかりつけ」がある安心感も、大きなメリットです。

一生、自分の歯で噛むために歯を多く残すことは、認知症になりにくい・全身の医療費を抑えられるなど、さまざまなメリットにつながります。かつて日本と同じように歯を失っていたスウェーデンは、1970年代に「予防歯科」を国家的に推進し、残存歯数を大きく増やすことに成功しました。
予防先進国スウェーデンにおける残存歯数の変化
「何かあったら行く」のではなく「何かにならないために通う」——その積み重ねが健康寿命を延ばします。当院は50年以上にわたり地域医療に携わってまいりました。すでに歯が少ない方も、通い始めるのに遅すぎることはありません。一緒に、お口の健康を守っていきましょう。





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