こんにちは!4月になりましたね。4月は新年度や新学期など、新しく何かが始まる月です。
新しい環境が不安で、お腹が痛くなっているかたもいるかもしれません。
今回は、口腔内と腸内の不思議な関係についてお話します。
皆さんは、お口の健康と全身の健康が密接に関係していることをご存じでしょうか?特に、歯周病と腸内環境の関連性について、最近の研究で興味深い結果が報告されています。
歯周病と腸内フローラの関係
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨に炎症を引き起こす疾患で、進行すると歯を失う原因となります。この歯周病が進行すると、口腔内の細菌バランスが崩れ(これを「口腔内フローラの乱れ」といいます)、その影響が腸内フローラにも及ぶ可能性が指摘されています。具体的には、歯周病原菌が血流を介して全身に広がり、腸内の細菌バランスを乱す可能性があると報告されています。
歯周病治療による腸内環境の改善
さらに、歯周病の治療を行うことで、腸内フローラが改善される可能性も示唆されています。最近の研究では、歯周病治療により有害な腸内細菌も同様に減少し、健全な歯周組織をもつ患者さんと同様の腸内環境が整ったという報告もありました。 (Baima G et al. 2024)
お口の健康を保つことの重要性
これらの研究から、お口の健康を維持することが全身の健康、特に腸内環境の改善につながる可能性が示唆されています。日々の丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診を受けることで、歯周病を予防し、結果としておなかの健康もサポートできるかもしれません。
腸内環境の改善が歯周病へ与える影響
もちろん、腸内環境を整えることが口腔内の健康や歯周組織の改善に役立つとの報告も多くあります。
栄養状態や全身の状態は歯周組織に影響を与えるため、相互の関係があるということです、
まとめ
お口とおなかは、一見関係が薄いように思われがちですが、実際には深い繋がりがあります。歯周病の予防や適切な治療を行うことで、腸内環境の改善や全身の健康維持に寄与する可能性があります。お口の健康を守ることは、全身の健康を守る第一歩と言えるでしょう。
(管理者) 鈴木瑛一 歯科鈴木医院 副院長 日本歯周病学会専門医